子どもに伝えたいヨガとヨガ哲学

南アフリカで3歳・5歳の男の子を育てているヨガ講師ママです。子どもに伝えたい、子育てに役立つヨガのメソッドや哲学を発信しています。

「もっと迷惑かけていいのよ」【ヨガ哲学】

南アフリカで3歳と5歳の息子を子育て中のヨガ講師、ゆかりーです。

 

日本で育った日本人の私は「他人に迷惑をかけてはいけない」と教えられてきました。でも、子どもにはその刷り込みをしたくないなと思っています。理由は、「他人軸で生きて欲しくないから」「困っている人を助ける人になって欲しいから」です。これは、とあるインドの教えがきっかけになっています。



 

他人に迷惑をかけてはいけない日本の美徳

子どものときから迷惑をかけないように静かに座り、まっすぐ歩くことが良い子とされてきたし、迷惑がかかるようなことがあれば即座に誤り、困ったことがあっても「大丈夫です」と自分で対処してきたオトナたちも見てきた私たち。だから、それが正しいと思い込んできました。

 

でもその刷り込みのせいで

・他人の目を気にして生きている

・困っても周りに助けを求められない

・迷惑をかける可能性のある夢や目標は追いかけない

・常に自制して生きている

・他人から迷惑をかけられるのが許せない

という人が日本には多いような気がします。

 

私の中にも、家族の迷惑になるかもしれないことはやらない精神が根付いてしまっています。

 

しかし、ヨガ発祥の地インドには全くの逆とも言える教えがあります。「人は迷惑をかけて生きるもの」「誰しもが他人に迷惑をかけているのだから、他人のことも許してあげなさい」というものです。

 

これは幼い頃から教えられ、「迷惑をかけるのが人間なのだから、家族はもちろん他人でも助け合おう」という価値観が根づいているそうです。

 

これを知ったときに、目からポロッと鱗が!なんて素敵な教えなんだろうと思いました。

 

迷惑を許せる人になって欲しい

日本に一時帰国中、子連れで電車に乗っていたときに明らかに嫌な顔をしてくる人に遭遇。基本は「相当疲れているのだろう」「家族に相手にされていないのだろう」と適当な理由をつけて距離を置き気にしないようにしていますが、なんとその人は泣き出した赤ちゃんに向かって怒りをぶつけたのでした。

 

このとき「赤ちゃんは泣くものなのに!」と思い、インドの教えがふっと浮かびました。

 

きっと激怒した人は、「迷惑をかけないように」と育てられてきたのでしょう。(勝手な想像ですが)「迷惑をかけないことが善だ」とすれば、極端な話「迷惑をかけることは悪で、罰せられても良い」と思う人がでてきてしまうのは当然です。

 

その人自身、迷惑をかけたことで親から怒鳴られた経験があったならなおさらですね。

 

そうして、迷惑をかけずに自制して生きてきた結果、人に迷惑をかけるやつは絶対に許せないという人間になってしまったのだと思います。

 

どんな理由にせよ、自分の子どもにはそうなって欲しくないと強く思いました。

 

だから、伝えたいことはこう。

・人間は生きていく上で、誰でも迷惑をかけるもの

・自分も迷惑をかけている。だから、迷惑をかけられても許してあげよう

・周りに困った人がいたら助けよう

・困ったら親や友達を頼って良いんだよ(助けを求める方法は、この時代本当に教えていきたい。)

・迷惑かどうかで決めず、自分のしたいことをして良いんだよ

・もちろん、わざと迷惑をかかる行為をするのはダメだけど!

 

この日本とは大きく違う価値観を知ったことで、私自身助けを求めやすくなり、楽に生きられるようになりました。そして、他人を助けてあげようという気持ちも増えました。

 

日本には「迷惑をかけない美徳」が根強く存在しますが、少しでもこの価値観が広がってくれたら、子どもたちも生きやすいのではないかなと思います。