子どもに伝えたいヨガとヨガ哲学

南アフリカで3歳・5歳の男の子を育てているヨガ講師ママです。子どもに伝えたい、子育てに役立つヨガのメソッドや哲学を発信しています。

【海外絵本】学校では教えてくれない「自分の気持ちを知る」大切さ

南アフリカで5歳3歳子育て中のヨガ講師、ゆかりーです。

 

最近買った「How are you feeling today?」という絵本。「いま自分はどんな気持ちなんだろう」と自分の感情に意識を向けるきっかけになり、さらに感情別に対処法のヒントを知ることができます。

 

感情については、日本の学校では教えてくれないけれど、とっても大切なこと。子どものうちから知っておくと、生きるのが楽になると思います。心のコントロールがテーマとなるヨガにも通じるものがありますね。今すごくお気に入りの一冊です。

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著者:Molly Potter    イラスト:Sarah Jennings

どんな絵本?

この絵本は、「私達にはいろんな感情があります」という導入から始まります。そして次のページでは12個のFeelingが紹介されています。

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ここで子どもの「いまの気持ち」についてヒヤリングしたり、「感情」について話し合うことができます。

 

感末には、細かい文字で親向けのアドバイスものっていました。「どんなことがあって、その気持ちになったの?」「どんなときに怒りたくなる?」など、おすすめの質問例まで。絵本を超えていますよね!

 

こんな素敵なメッセージも。

Feelings are feelings(They cannot br denied)But you do have a choice behave.

感情は湧いてくるものだから避けられない。でもどんな行動をするかは選べるよ

 

本当にそうだなと深く頷きました。感情の放置は、自分を苦しめます。例えば寂しい、退屈、不安などの感情は、ときに攻撃的な言動になって表面化します。オトナも子どもも同じですね。どんな行動をすれば良いか知っておけば、そんな事態を避けられるでしょう。

 

絵本には、Feelingごとにできるカジュアルなヒントが8つずつ書かれています。

 

「Worried(不安な気持ち、心配、くよくよ)」なときは・・・

・You could find someone you trust and tell them about all of you worries.

(誰か信頼できる人に心配事を話してみても良い)

・You could take lots of really deep,deep breaths.

(深〜く呼吸をしてみても良い)

・You could imagine yourself much,much bigger than the thing you are worrying about.

(不安に思う内容よりずっと大きな自分を想像してみて=悩み事を小さく捉えてみて)

 

Shy(恥ずかしい、勇気が出ないときは)なときは・・・

・You could know that peple feel shy at same time.

(他の子も恥ずかし気持ちかもよ)

・You could tell yourself it's totally OK to be a quiet person.

(物静かなタイプでも全く問題ないよ!と自分に言い聞かせる)

・You could be brave,smile, and say a cheerful“hello”,

(勇気を出して、笑顔で元気にハロー!って言うのもあり)

 

など。もう素敵すぎて、読み聞かせ中に「これはいいね」「良くない?」「これも良いよ!」と私が絶賛しています。

 

「深呼吸してみよう」は、私もよく感情が乱れた息子たちに言いますが、この本でもWorriedとAngryのページに出てきました。

 

他にも、退屈なとき、怖いとき、寂しいとき、羨ましいときはどう対処すると良いかなのヒントが書かれていますが、全て素晴らしい!と言いたくなる内容です。

yuukariii.hatenablog.jp

日本は子どもに感情について教えない?

著者のMolly Potterさんは、教師であり、イギリスにおける道徳教育「PSHE」の専門家です。

 

PSHEは、パーソナル・ソーシャル・アンド・ヘルス・エデュケーション。2020年からイギリスの小学校で義務化された現代の子どもの社会的スキルを養う授業です。

 

PSHE(イギリス)のカリキュラム

・感情を知る/他者に伝える/心配ごとへの対処法

・人間関係の考え方

・いじめや犯罪の危険から身を守る知識

・オンラインゲームの安全な使い方

ダイバーシティ教育(人種や宗教、セクシャルなど)

 

一方、日本の道徳の内容を東京都教育委員会HPから一部抜粋するとこうです。

 

道徳(日本)のカリキュラム

・良いと思うことをすすんで行う

・働くことの良さを知り、みんなのために働く

・友達と仲良くし、協力する

・決まりを守る

・親や先生を敬う

・自分の特徴を知って短所を改め、長所を伸ばす

・困難があってもくじけずやり抜く

 

私の小学校時代にも道徳がありました、その頃から全く変わってないという衝撃。きっと考えている人は高齢です。

 

そして理想論だけなので、ふわっとしています。子どもには響きません。(私にとってもただの楽な授業でした)

 

親としては、PSHEカリキュラムにある

・感情のコントロール方法

・いじめや犯罪の危険から身を守る知識

・オンラインゲームの安全な使い方

ダイバーシティ教育

の方がはるかに現代の子どもたちに教えてほしいことです。

 

オンラインゲームは実践して学んでいくそうなので、子どもたちもきっと前のめりで参加することでしょう。オンラインで出会って監禁・・・という事件もあるので、絶対に知っておいてほしい内容です。

 

イギリスでのPSHEの授業には、警察や医療関係者、NPO団体関係者などがゲストとして訪れるそう。羨ましい教育環境です。

 

と、話はだいぶ飛びましたが、著者のMolly PotterさんはPSHEの専門家なので、このような絵本をいくつか出されています。「It's OK to cry(泣いても良んだよ)」など内容はどれも、心が温かくなるものばかりです。

 

今ほしいのが、「The Same but Different」。表紙にはいろいろな色の肌、髪の子がいて車椅子の子もいます。イギリス発のPeppa pigでも車椅子のお友達が登場するので、イギリスは多様性についての教育をとても大切にしているなぁと感じます。

Published Books – Molly Potter

 

海外モンテッソーリ幼稚園でも感情を大事にする

日本では藤井聡太棋士が受けていたことで一気に注目されるようになったモンテッソーリ教育。日本ではまだまだ少ないですが、ここ南アフリカには多数存在します。

 

5歳と3歳の息子たちも2年ほどモンテッソーリ幼稚園に通っています。

 

教室の入口には「Today's feeling」のボードがあります。子どもたちは教室に入る前に、自分の名前が書かれたマグネットをとり、「Happy,Excited,Bored,Angry,Grumpy,Sad」などの感情を表した少年少女の絵の枠内に貼り、今日の自分の気分を示します。

 

授業参観に行ったとき、みんな少しだけ立ち止まってから(ちゃんと今どんな気持ちかな?と考えてる)貼るのが印象的でした。

 

その後深く内容を聞かれることないので、子どもたちは素直に自分の感情と向き合い、示すことができる仕組みです。なんて素敵な!!!

 

「頭の良い子」「東大に入る子」を目指す教育本が日本は多いですが、子どもが幸せに生きていくにはこんな風に感情について教える教育も大事ではないかなと、絵本をきっかけに思いました。

 

おしまいに

穏やかに幸せに生きるには、感情のコントロールが不可欠です。怒りに支配される、寂しさや嫉妬にまみれていると他人や自分を傷つけてしまうからです。感情をコントロールするには、まずは自分の感情に気づかないといけませんね。

 

「いま悲しい気持ち」に気づくことができ「悲しいときは、こんなことをしてみよう」というヒントを知っている子は、精神がとても安定しそうですね。幼少期はもちろん、思春期にも役立つマインドだと思います。

 

こういった話は親が言うと鬱陶しいと思うので、分かりやすい言葉やイラストで伝えられる絵本の存在はありがたいなと思います。

 

ヨガでもポーズを通して「心と身体を観察する」ことをおすすめしています。それは、自分自身のコントロールに繋がるから。ぜひヨガをするときは、自分の心と身体に目を向けてみてくださいね。

 

yuukariii.hatenablog.jp

 

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