子どもに伝えたいヨガとヨガ哲学

南アフリカで3歳・5歳の男の子を育てているヨガ講師ママです。子どもに伝えたい、子育てに役立つヨガのメソッドや哲学を発信しています。

危険な遊具がない日本、挑戦しない子が増えている?

南アフリカヨハネスブルグで5歳3歳男の子を子育て中のゆかりーです。

 

南アフリカにはたのしい子どもの遊び場がたくさんありますが、中には「これ安全!?」「落ちたら絶対に怪我する」」「釘出ちゃってますけど・・・」という遊具もたくさんあります。日本では禁止(?)になった、ぐるぐる周って遠心力で吹っ飛ぶ!という最高の遊具もあります。

 

「危ないからダメ」とオトナが子どもに制限してしまうことは簡単ですが、危ない遊具からも学べることはたくさんあると思うのです。

平成初期の遊具はすごかった!

私は昭和63年生まれ。毎日のように通っていた大好きな公園には「がったんこ」と呼ばれる大型ブランコがありました。

 

漕ぐ側はヘリに乗り(しかも複数人)、すんごい角度でスウィング。一番高いところで腕の力を使って手前に引くと上のポールにぶつかり「がたん」となるので「がったんこ」と呼ばれていました。

 

小学生の低学年からみんな大好きで、中学年になると自分の身体能力を試すかのようにスウィングの極限に挑戦し、高学年になると人を乗せて、激しいがったんこを繰り返しました。みんなきゃーきゃー!と楽しんでいました。そしてもちろん落ちて怪我をした、手を挟んで怪我をした人もたくさんいました。

 

そんな大型ブランコが撤去されたのは、私が高校生になった頃だったと思います。

 

理由は「危険だから」。

 

息子たちも大好きな公園ですが、「ハラハラどきどき」が詰まったあの頃の公園とは、大きく違うものになっていました。

 

が、ここ南アフリカにはそんな危なくて懐かしい遊具がたくさんあるのです!子どもたちはキャーキャー言いながら楽しんでいます。

 

そんな日々を過ごしていて感じたのが、危険な遊具のメリットです。

 

大きな怪我を避けるために必要な「経験」

幼児期はもちろん、小学生になっても、転んだり落ちたりして怪我をする場面は多くあると思います。そのときに打撲で済むのか、骨折や脱臼をするのか、「どんな怪我をするか」は個人の身体能力が深く関わっています。

 

転んだとき、とっさに手や足が出なければ顔を強打します。顎は鼻を打つとかなり痛いですよね。歯を折ることもあるでしょう。

 

落ちそうで、とっさに支えとなる棒を掴んでも、握る力が弱ければあっけなく落ちてしまいます。

 

友達と喧嘩になり強く押されたとき、自分の体を支えるために踏ん張れなければ、壁や床に体、頭を強く打ち付けてしまうこともあるでしょう。

(警察ドラマでも、揉み合いの喧嘩をして、押されてよろけて壁に後頭部を打って・・・というのがありますよね。これってあり得るなぁと思うのです)

 

何が言いたいのかというと、大きな怪我をしないためには、多少危ない遊具で「体に学ばせること」が大事ということ。

 

たくさん高いところから飛び降りることでだんだんと着地が上手になります。どの高さなら自分は大丈夫かも図れるようになります。

 

頭でどんなに分かっていても、体が覚えていないと咄嗟に体は動きません。安全な遊具ばかりでは、いざというときに大きな怪我をしてしまうかも・・・と感じています。

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安全な遊具は子どものチャレンジ精神を奪う

安全な遊具ばかりのデメリットは他にもあります。挑戦しなくなること、工夫しなくなることです。

 

難しい遊具を攻略するとき、子どもは興奮、緊張状態です。アドレナリンがドバドバ出て、交感神経が優位になっています。(昼間の活動時間に交感神経を優位にすることで、夜ぐっすり深く眠れるというメリットもあります)

 

そして課題クリアのために、子どもはいろいろなことを瞬時に考え、工夫をしています。

 

「どこに足をかければ登れるかな」

「しっかり掴んでおこう」

「どうすればもっと速く漕げるかな」

「あと少しだけ高く!頑張りたい!」

「前よりできるようになった!」

「落ちないように集中!」

 

いかがでしょう。オトナから見たら危ない挑戦でも、子どもの心身の成長には非常に良いメリットがあると思いませんか?

 

自分の幼少期を思い出しても、最初はできなかったことができるようになった経験を「公園」の中でたくさんしてきました。

 

現代の日本の公園には、そんな風にアドレナリンを出せるような遊具がなく、挑戦する楽しさを知れないのは残念なことだなぁと思います。

 

使い方が1つだけに決められ、危険なことはNOと言われて育った子どもは、失敗を恐れる、挑戦しなくなる、工夫をしなくなる、アイデアを持ちづらくなるのではないかなぁとさえ感じてしまいます。

 

前述した「がったんこ」なる遊具も、本来の遊び方(揺れるだけ)とは違う遊び方を子どもたちが編み出し、上級生を見ながら学び、何度もチャレンジをして(数回ではできるようにならない)、失敗や怪我もして、やっとできた!という達成感を味わえる存在でした。

 

挑戦する子にするためには?

安全な遊具が多い日本でも、たくさん挑戦する子に育てるためには、何が大事だろうと考えてみました。

 

・失敗しないように先回りしない(失敗させる!)

・失敗しても怒らない、失敗しても良いことを伝える

 

日本に帰ったら、「危ない遊具」という絶好のチャレンジ機会がないので、こんなことを意識してみようかなと思います。

 

(今の小学生は「ハラハラどきどき」が公園にないので、きっとゲームでアドレナリンを出すことになるのでしょう・・・それも悲しいなぁ)

 

あとは、ヨガもおすすめです。いろいろな子ども向けの習い事がありますが、ヨガも挑戦しながらワクワクを味わえる素敵なメソッドだと思います。

 

ヨガのヘッドスタンド(頭と手で逆立ち)も最初はみんなできませんが、基礎を固めて、工夫をして、コツコツ続けると誰でもできるようになります。子ども×ヨガはそんな楽しみ方もあるので、息子たちにも教えていきたいと思います。

 

 

おしまい。

 

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