子どもに伝えたいヨガとヨガ哲学

南アフリカで3歳・5歳の男の子を育てているヨガ講師ママです。子どもに伝えたい、子育てに役立つヨガのメソッドや哲学を発信しています。

危険な遊具がない日本、挑戦しない子が増えている?

南アフリカヨハネスブルグで5歳3歳男の子を子育て中のゆかりーです。

 

南アフリカにはたのしい子どもの遊び場がたくさんありますが、中には「これ安全!?」「落ちたら絶対に怪我する」」「釘出ちゃってますけど・・・」という遊具もたくさんあります。日本では禁止(?)になった、ぐるぐる周って遠心力で吹っ飛ぶ!という最高の遊具もあります。

 

「危ないからダメ」とオトナが子どもに制限してしまうことは簡単ですが、危ない遊具からも学べることはたくさんあると思うのです。

平成初期の遊具はすごかった!

私は昭和63年生まれ。毎日のように通っていた大好きな公園には「がったんこ」と呼ばれる大型ブランコがありました。

 

漕ぐ側はヘリに乗り(しかも複数人)、すんごい角度でスウィング。一番高いところで腕の力を使って手前に引くと上のポールにぶつかり「がたん」となるので「がったんこ」と呼ばれていました。

 

小学生の低学年からみんな大好きで、中学年になると自分の身体能力を試すかのようにスウィングの極限に挑戦し、高学年になると人を乗せて、激しいがったんこを繰り返しました。みんなきゃーきゃー!と楽しんでいました。そしてもちろん落ちて怪我をした、手を挟んで怪我をした人もたくさんいました。

 

そんな大型ブランコが撤去されたのは、私が高校生になった頃だったと思います。

 

理由は「危険だから」。

 

息子たちも大好きな公園ですが、「ハラハラどきどき」が詰まったあの頃の公園とは、大きく違うものになっていました。

 

が、ここ南アフリカにはそんな危なくて懐かしい遊具がたくさんあるのです!子どもたちはキャーキャー言いながら楽しんでいます。

 

そんな日々を過ごしていて感じたのが、危険な遊具のメリットです。

 

大きな怪我を避けるために必要な「経験」

幼児期はもちろん、小学生になっても、転んだり落ちたりして怪我をする場面は多くあると思います。そのときに打撲で済むのか、骨折や脱臼をするのか、「どんな怪我をするか」は個人の身体能力が深く関わっています。

 

転んだとき、とっさに手や足が出なければ顔を強打します。顎は鼻を打つとかなり痛いですよね。歯を折ることもあるでしょう。

 

落ちそうで、とっさに支えとなる棒を掴んでも、握る力が弱ければあっけなく落ちてしまいます。

 

友達と喧嘩になり強く押されたとき、自分の体を支えるために踏ん張れなければ、壁や床に体、頭を強く打ち付けてしまうこともあるでしょう。

(警察ドラマでも、揉み合いの喧嘩をして、押されてよろけて壁に後頭部を打って・・・というのがありますよね。これってあり得るなぁと思うのです)

 

何が言いたいのかというと、大きな怪我をしないためには、多少危ない遊具で「体に学ばせること」が大事ということ。

 

たくさん高いところから飛び降りることでだんだんと着地が上手になります。どの高さなら自分は大丈夫かも図れるようになります。

 

頭でどんなに分かっていても、体が覚えていないと咄嗟に体は動きません。安全な遊具ばかりでは、いざというときに大きな怪我をしてしまうかも・・・と感じています。

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安全な遊具は子どものチャレンジ精神を奪う

安全な遊具ばかりのデメリットは他にもあります。挑戦しなくなること、工夫しなくなることです。

 

難しい遊具を攻略するとき、子どもは興奮、緊張状態です。アドレナリンがドバドバ出て、交感神経が優位になっています。(昼間の活動時間に交感神経を優位にすることで、夜ぐっすり深く眠れるというメリットもあります)

 

そして課題クリアのために、子どもはいろいろなことを瞬時に考え、工夫をしています。

 

「どこに足をかければ登れるかな」

「しっかり掴んでおこう」

「どうすればもっと速く漕げるかな」

「あと少しだけ高く!頑張りたい!」

「前よりできるようになった!」

「落ちないように集中!」

 

いかがでしょう。オトナから見たら危ない挑戦でも、子どもの心身の成長には非常に良いメリットがあると思いませんか?

 

自分の幼少期を思い出しても、最初はできなかったことができるようになった経験を「公園」の中でたくさんしてきました。

 

現代の日本の公園には、そんな風にアドレナリンを出せるような遊具がなく、挑戦する楽しさを知れないのは残念なことだなぁと思います。

 

使い方が1つだけに決められ、危険なことはNOと言われて育った子どもは、失敗を恐れる、挑戦しなくなる、工夫をしなくなる、アイデアを持ちづらくなるのではないかなぁとさえ感じてしまいます。

 

前述した「がったんこ」なる遊具も、本来の遊び方(揺れるだけ)とは違う遊び方を子どもたちが編み出し、上級生を見ながら学び、何度もチャレンジをして(数回ではできるようにならない)、失敗や怪我もして、やっとできた!という達成感を味わえる存在でした。

 

挑戦する子にするためには?

安全な遊具が多い日本でも、たくさん挑戦する子に育てるためには、何が大事だろうと考えてみました。

 

・失敗しないように先回りしない(失敗させる!)

・失敗しても怒らない、失敗しても良いことを伝える

 

日本に帰ったら、「危ない遊具」という絶好のチャレンジ機会がないので、こんなことを意識してみようかなと思います。

 

(今の小学生は「ハラハラどきどき」が公園にないので、きっとゲームでアドレナリンを出すことになるのでしょう・・・それも悲しいなぁ)

 

あとは、ヨガもおすすめです。いろいろな子ども向けの習い事がありますが、ヨガも挑戦しながらワクワクを味わえる素敵なメソッドだと思います。

 

ヨガのヘッドスタンド(頭と手で逆立ち)も最初はみんなできませんが、基礎を固めて、工夫をして、コツコツ続けると誰でもできるようになります。子ども×ヨガはそんな楽しみ方もあるので、息子たちにも教えていきたいと思います。

 

 

おしまい。

 

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子どもの心に効く「息を止める呼吸法(クンバカ)」

南アフリカで3歳5歳の子育てをしているヨガ講師、ゆかりーです。

 

私のヨガクラスでは、ほぼ毎回「止息(しそく)」を行います。息を止める呼吸法です。「息を止めるなんて苦しそう!」という声が聞こえてきそうですが、「止息(しそく)」には、嬉しい効果があります。子どもが実践しても、同じ効果が期待できるのでぜひ取り入れてみてください。

ヨガの「止息(クンバカ)」の効果

ヨガでは「クンバカ」とも呼ばれる「止息(しそく)」。息を吸った後にしばらく息を止めてから、吐き出します。ヨガの呼吸法というと難しいイメージを持たれますが、これなら小さな子どもでも簡単に取り入れられます。

 

クンバカ(止息)のやり方

1、口を優しく閉じ、奥歯を緩める(噛み締めない)

2、鼻から息をなめらかに吸う

3、吸いきったところで息を3〜5秒止める

4、鼻からなめらかに長く息を吐き出す

5、5回ほど繰り返す

 

クンバカ(止息)の効果

・リラックス効果(副交感神経が優位になる)

・ストレス解消

・悩みが消える(呼吸だけに集中できる)

・ぐっすり眠れる

・頭がすっきりする

・癒される

 

人によって感じ方はそれぞれですが、多くの方は「苦しい!」というよりは、「なんだか気持ちが良い」「すっきりした!」と感じてくれるようです。

 

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止息(クンバカ)でぐっすり眠れる

個人的には、入眠前のベッドで行うのがおすすめ。

 

息を止める呼吸法で呼吸が深まると副交感神経が優位になるので、すっと眠りに落ちやすくなります。呼吸にしか集中できなくなるので、つい寝る前に考えごとをして眠れなくなってしまう方にもぴったり。

 

子どもにも止息(クンバカ)は効果的。寝る前にテレビを見たり、ベッドではしゃいだり、考え事をしてしまったりすると、交感神経が優位になり上手く眠れません。睡眠の質も悪くなってしまいます。

 

眠る前の子どもとのコミュニケーションにもおすすめです。この呼吸法を教えておくと、子どもが一人で「眠れなくて辛い」と感じたときにも実践してくれるかもしれません。

 

呼吸法を知ると心のコントロールが上手くなる

自律神経の操作する唯一の手段が「呼吸」です。呼吸法をいろいろ知っていると、自立神経のバランスを整えるのに効果的です。

 

例えば、気合を入れる時、弱気な気持ちに打ち勝ちたいときは、「はっはっはっ!」と短い呼吸をとりいれます。これで交感神経が優位になり、心と身体が戦闘モードになります。

 

副交感神経を高めてリラックスしたい時には、深呼吸。ゆっくり長く息を吐き、ゆっくり息を吸い込みます。呼吸だけに集中できないという場合は、呼吸を「い〜ち、に〜」とカウントするのもおすすめです。怒りがおさまらないとき、キレてしまいそうなときなどにも副交感神経を優位にする呼吸が役立ちます。

 

息を止める呼吸法も、副交感神経が優位になりますが、「もやもやする気持ちを切り替えたいとき」にも最適です。

 

さまざまな呼吸法を練習することは、メンタルが大事なスポーツ選手もよく取り入れています。子どもの心を落ち着けるのにも呼吸は役立ちますし、本人がその効果を分かってくれるようになれば、自分で自分の心をコントロールできるオトナになります。

 

二酸化炭素の濃度に注意!

人は1日に2〜3万回呼吸をしています。呼吸の目的は、体内に酸素を取り込み、二酸化炭素を吐き出すためです。

 

息を吸うと酸素が体内に取り込まれて、血液中に溶け込みます。心臓に送られたら、ポンプのように押し出されて、酸素が全身を巡ります。

 

二酸化炭素と言うと、地球温暖化の原因にもなるものなので、悪い印象があるかもしれませんが、人間が生きる上では適度に体内になくてはいけません。何事もバランスが大事。

 

ただ、体内に増えすぎて二酸化炭素濃度が高まると、息苦しさや眠気、思考力低下などの症状につながることもあります。

 

部屋を長時間閉めっぱなしにすると、なんとなく頭がぼやっーとするのはそのため。

 

換気をしていない室内にいると、人が呼吸で排出した二酸化炭素だらけになってしまい、二酸化炭素濃度が上昇していくので注意。

 

二酸化炭素濃度が3〜4%を超える環境では、頭痛やめまい、吐き気を感じることが増えます。7%を超えると意識障害(意識消失、失神)が起こると言われています。

 

気持ちの良い呼吸(酸素と二酸化炭素の交換)を行うためにも、健康な心身のためにも、換気をして新鮮な空気を取り込むことを習慣にしましょう。子どもはそこまでの知識がないので、親が換気の管理をしてあげるのが良いですね。

 

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嘘をつくのは何故いけない?【ヨガ哲学】

南アフリカでヨガ講師をしている、ゆかりーです。

 

今回は、子どもが将来生きやすくなるヒントとして、ヨガ哲学の「サティア(正直)」を紹介します。

ヨガ哲学のサティアとは

ヨガ八支則で説かれている「ヤマ/やるべきでないこと」の一つに、サティア(正直)があります。

 

サティア(正直)とは

①自分の利益やエゴを守るために、嘘をついてはいけない

②自分の気持ちを偽らない(自分への嘘もダメ)

 

ヨガ八支則すべてはこちら↓(私の寄稿記事です)

yoganess.jp

 

ヨガの八支則を守って日常生活を生きていくと、心の平穏を保てるようになると考えられています。

 

ヨガのゴール「悟り(苦悩のない状態、ピュアな状態、幸せな状態)」への第一歩のようなものですが、私は「やった方が幸せになれること」くらいに捉えています。

 

サティアは、他人にはもちろん、自分にも嘘をつかないことです。

 

そもそも何故、嘘はいけない?

「他人に嘘をつくな」というのは、誰もが子どもの頃から言われてきたことかと思います。

 

なぜ嘘はいけないのか。

 

それは・・・

 

嘘をつくことで自分の人生を不幸にしてしまうから。

 

まず、「人は嘘をつくもの」という概念を、自らに植え付けることになります。

 

人を騙したことがある人は、他人に対して疑心暗記になります。裏切ったことがあれば、今度は自分が裏切られるかもしれないと怯えます。浮気をしている人は、すぐに相手の浮気を疑い心が安定しません。

 

どれも、自分が自分の植え付けた「人は〇〇してしまうものだ」という概念のせいです。

 

ちなみに「騙す」「裏切る」「浮気する」といった行為は、「嘘をつく」が発展した形。なので嘘をつくのが平気になると、どんどん悪い方向へすすんでいきます。

 

嘘をつくデメリットは他にも

・周囲から信頼されなくなる(仕事でも)

・心から信頼し合える人間関係が築けなくなる

・本当の自分の気持ちが分からなくなる

・嘘がバレることに怯えて暮らすようになる

などがあります。

 

いずれにせよ「自分自身が幸せでなくなるから」嘘は辞めてほしいなと思うのです。

 

しかし「嘘はだめよ」「嘘はよくないことだから、やめようね」とどんなに伝えても、子どもは嘘をつくことがありますね。

 

ちなみに子どもが嘘をつくこと自体は、「成長過程で当たり前だから、過度にとがめなくて良い」と育児本で目にしたことがあります。みんな嘘はつくんです。だから、「自分の子は嘘つきなのかしら・・・」と心配は全くしなくて良いと思います。

 

子どもが嘘をつく理由

子どもが嘘をつく理由は「怒られないため」「よく見せるため」「嫌われないため」つまり、自分を守るためだと思います。

 

私は、まだ短い子育て経験の中で「他人のせいする」子どもに出会ったことがあります。その子は親がくると、何も聞かれていないのに「私じゃない、○○くんがやった!」と訴えました。(嘘でした)

 

大好きなお母さんに怒られないよう、嫌われないよう・・・そんな必死が伝わってきました。(その子は何度か同じようなことがありました)

 

過去に強く責められたり、失敗をとがめられたりした経験がトラウマになってしまうと、嘘をよくつくようになると言われています。

 

また、「良い子」でないと親から愛されないと思っている子は、失敗や悪いことを隠してしまいます。悪いことをしたときに、親から冷たくされた、ため息をつかれた、親の機嫌が長らく悪くなったといった経験があると、子どもは親の愛情を得るために「良い子」でいることを頑張り続けます。

 

他にも、「怒らないから本当のことを言ってごらん」と言われ正直に言ったら怒られた場合、子どもは「今後は隠しとおそう」と心に決めてしまうことでしょう。

 

子どもに正直でいてもらうために

子どもは嘘をつくもの。大げさに考えずに受け止めて大丈夫。ですが、きるだけ正直でいてもらいたい、平気で嘘をつくオトナにはなって欲しくないと思います。

 

理由は述べた通り、人を心から信用できなくなるからです。もちろん、人からも信頼されなくなります。小さな頃はそこまでの結果にならなくても、嘘をつく習慣がついたままオトナになると、自分で自分を苦しめてしまうことになります。

 

では、子どもにサティア(正直)を守ってもらうには、どうしたら良いのでしょう。こんなことを考えてみました。

(私は教育者ではないので、いろいろな育児本からヒントを得ています)

 

・失敗を強くとがめない

子どもは怒られるのは避けるために、反射的に嘘をつきます。だから、失敗に対してはなるべく怒らないことが大切です。

 

モノをうっかり壊してしまう、忘れ物をする、間違ったことをする。オトナでもありますよね。私はよくあります。

 

こういった部類のことは、「大丈夫だいじょうぶ」「ママもよくあるよ」くらいに留め、あまり気にしない姿勢を見せること。

 

そうすると子どもも「踏んで壊しちゃった、ごめん」「こぼしたからタオルちょうだい」と素直に言ってきます。

 

これは、夫婦関係に置き換えると分かりやすいです。グラスを割ってしまったときにひどく怒るような夫には、割ったことを隠し通したくなりますね。「まぁ気にするな」という夫なら嘘をつかず打ち明けるでしょう。

 

・冷たくしない、飽きれない

悪いことをしたときに、冷たい態度をとる、冷めた目線を向ける。それも恐怖で支配する方法の一つです。

 

大好きな親に嫌われたくない子どもは、親のいないところで悪いことをしてしまったときに、何が何でも隠し通そうとします。

 

その結果、人のせいにしたり、人に嘘を強要させたり、さらなる嘘をついたりとよくない方向へいってしまいます。

 

・正直に打ち明けてくれたら褒める

「これ壊しちゃった」「今日スクールで喧嘩して、〇〇が泣いちゃった(自分が泣いちゃったパターンもある」と打ち明けてくれたら、どんなひどい内容であってもまずは「教えてくれてありがとう」「教えてくれて嬉しい」「正直に言ってくれてえらい!勇気あるね!」と褒めまくるのも大事なことだと思います。

 

(ダメなシーンで怒るより、正しいことをしたときに褒めまくる!というのは、てぃ先生(有名な教育の方)のやり方だったかな?)

 

正直に打ち明けて、怒られた、呆れられた、がっかりさせたとなれば、これからは秘密として抱えていくようになると思いますよね。

 

「正直に言ってよかった!」(正直=褒められること、えらいこと、すっきりすること)と思わせられるような声がけを意識しています。

 

・良い子でなくても大好きと伝える

子どもには「悪い子でも良い子でも関係なく大好きだよ」「いつでも味方だよ」そう伝えるのも効果的。

 

夜寝る前にそう言うと、5歳の息子は「今日、こんな嫌なことがあった・・・」と友人関係のことを話してくれることもあります。子どもにとっては、勇気のいることですね。

 

「どんなでも嫌われない」と知っていれば、正直に打ち明ける頻度が高くなると思います。

 

「いつでも味方なんて、そんなの親なら当たり前、言わなくても分かるでしょ?」本当にそうでしょうか?海外の育児書、教育系Youtuberを見ていると、言葉にして伝えることを大事さを感じます。

 

思春期に差し掛かると難しい声がけですが、小さなうちから刷り込んでおきたいですね。

 

・おまけ:「おおかみ少年の話」を見せる

ストーリーで伝えるのも、分かりやすくておすすめです。

 

3歳と5歳の息子には、「オオカミ少年」のBabybusのパロディをYoutubeで見せています。(オオカミがお腹が痛い〜って何度も嘘をついて、最後本当にお腹が痛くなって苦しいのに信じてもらえない)

 

何度も何度も見ているので、もう記憶しているほど。「嘘をつくと信じてもらえなくなるね」「誰も助けてくれないね」と理解しているようです。

 

自分の気持ちにも嘘をつかないでね

サティアのもうひとつの教えは「自分の気持ちにも正直に」です。これは、現代を生きる子どもたちに積極的に教えていきたいことですね。

 

例えば

・本当は嫌なのに我慢してやること

・人の意見で決めること

・周りに合わせて決めること

・疲れているけど「まだ大丈夫!」と言い聞かせて頑張ること

などです。

 

多くの現代人が自分の欲望を押し殺して生きていると思うので、これってなかなか難しいですよね。

 

でも、「自分の気持ちに正直に生きよう」「その方が良いよ!」という価値観を持っているだけで、選択が変わってくると思います。

 

人を守るための嘘は良い?

嘘はいけないものと教えていきたいですが、人を守るための「嘘」はどうでしょう?

 

ヨガ哲学には「アヒムサ(非暴力)」という教えもあります。他人や自分を傷つけないこと。直接的に相手を傷つけることだけでなく、言葉の暴力も含まれます。

 

なので、嘘をつかないと相手を傷つけてしまうような場面であれば、嘘をつくのはありかなと私は思います。

 

ただ、積極的に嘘をつく必要なありません。嘘をつかないために「何も言わない」を選択することもできます。この塩梅は、生きていく過程で子どもたちにも分かってもらえたらなぁと思います。

 

 

おわりに

子どもに伝えたいヨガ哲学として、サティア(正直)をご紹介しました。

 

子どもは嘘をつくこともあるから、鈍感に受け止めていきたいけれど、オトナになっても嘘を連発するようになって欲しくない!というのが私の想いです。そのために、心掛けたい対応はたくさんあります。

 

親も、常に正直でいることが大事だと思います。「ママは25歳よ」という小さな嘘も、結局は嘘なのであまりおすすめしません(笑)サティアは、自分の気持ちにも正直でいなさいという教えです。無理しすぎ、頑張りすぎは禁物です。

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【海外絵本】学校では教えてくれない「自分の気持ちを知る」大切さ

南アフリカで5歳3歳子育て中のヨガ講師、ゆかりーです。

 

最近買った「How are you feeling today?」という絵本。「いま自分はどんな気持ちなんだろう」と自分の感情に意識を向けるきっかけになり、さらに感情別に対処法のヒントを知ることができます。

 

感情については、日本の学校では教えてくれないけれど、とっても大切なこと。子どものうちから知っておくと、生きるのが楽になると思います。心のコントロールがテーマとなるヨガにも通じるものがありますね。今すごくお気に入りの一冊です。

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著者:Molly Potter    イラスト:Sarah Jennings

どんな絵本?

この絵本は、「私達にはいろんな感情があります」という導入から始まります。そして次のページでは12個のFeelingが紹介されています。

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ここで子どもの「いまの気持ち」についてヒヤリングしたり、「感情」について話し合うことができます。

 

感末には、細かい文字で親向けのアドバイスものっていました。「どんなことがあって、その気持ちになったの?」「どんなときに怒りたくなる?」など、おすすめの質問例まで。絵本を超えていますよね!

 

こんな素敵なメッセージも。

Feelings are feelings(They cannot br denied)But you do have a choice behave.

感情は湧いてくるものだから避けられない。でもどんな行動をするかは選べるよ

 

本当にそうだなと深く頷きました。感情の放置は、自分を苦しめます。例えば寂しい、退屈、不安などの感情は、ときに攻撃的な言動になって表面化します。オトナも子どもも同じですね。どんな行動をすれば良いか知っておけば、そんな事態を避けられるでしょう。

 

絵本には、Feelingごとにできるカジュアルなヒントが8つずつ書かれています。

 

「Worried(不安な気持ち、心配、くよくよ)」なときは・・・

・You could find someone you trust and tell them about all of you worries.

(誰か信頼できる人に心配事を話してみても良い)

・You could take lots of really deep,deep breaths.

(深〜く呼吸をしてみても良い)

・You could imagine yourself much,much bigger than the thing you are worrying about.

(不安に思う内容よりずっと大きな自分を想像してみて=悩み事を小さく捉えてみて)

 

Shy(恥ずかしい、勇気が出ないときは)なときは・・・

・You could know that peple feel shy at same time.

(他の子も恥ずかし気持ちかもよ)

・You could tell yourself it's totally OK to be a quiet person.

(物静かなタイプでも全く問題ないよ!と自分に言い聞かせる)

・You could be brave,smile, and say a cheerful“hello”,

(勇気を出して、笑顔で元気にハロー!って言うのもあり)

 

など。もう素敵すぎて、読み聞かせ中に「これはいいね」「良くない?」「これも良いよ!」と私が絶賛しています。

 

「深呼吸してみよう」は、私もよく感情が乱れた息子たちに言いますが、この本でもWorriedとAngryのページに出てきました。

 

他にも、退屈なとき、怖いとき、寂しいとき、羨ましいときはどう対処すると良いかなのヒントが書かれていますが、全て素晴らしい!と言いたくなる内容です。

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日本は子どもに感情について教えない?

著者のMolly Potterさんは、教師であり、イギリスにおける道徳教育「PSHE」の専門家です。

 

PSHEは、パーソナル・ソーシャル・アンド・ヘルス・エデュケーション。2020年からイギリスの小学校で義務化された現代の子どもの社会的スキルを養う授業です。

 

PSHE(イギリス)のカリキュラム

・感情を知る/他者に伝える/心配ごとへの対処法

・人間関係の考え方

・いじめや犯罪の危険から身を守る知識

・オンラインゲームの安全な使い方

ダイバーシティ教育(人種や宗教、セクシャルなど)

 

一方、日本の道徳の内容を東京都教育委員会HPから一部抜粋するとこうです。

 

道徳(日本)のカリキュラム

・良いと思うことをすすんで行う

・働くことの良さを知り、みんなのために働く

・友達と仲良くし、協力する

・決まりを守る

・親や先生を敬う

・自分の特徴を知って短所を改め、長所を伸ばす

・困難があってもくじけずやり抜く

 

私の小学校時代にも道徳がありました、その頃から全く変わってないという衝撃。きっと考えている人は高齢です。

 

そして理想論だけなので、ふわっとしています。子どもには響きません。(私にとってもただの楽な授業でした)

 

親としては、PSHEカリキュラムにある

・感情のコントロール方法

・いじめや犯罪の危険から身を守る知識

・オンラインゲームの安全な使い方

ダイバーシティ教育

の方がはるかに現代の子どもたちに教えてほしいことです。

 

オンラインゲームは実践して学んでいくそうなので、子どもたちもきっと前のめりで参加することでしょう。オンラインで出会って監禁・・・という事件もあるので、絶対に知っておいてほしい内容です。

 

イギリスでのPSHEの授業には、警察や医療関係者、NPO団体関係者などがゲストとして訪れるそう。羨ましい教育環境です。

 

と、話はだいぶ飛びましたが、著者のMolly PotterさんはPSHEの専門家なので、このような絵本をいくつか出されています。「It's OK to cry(泣いても良んだよ)」など内容はどれも、心が温かくなるものばかりです。

 

今ほしいのが、「The Same but Different」。表紙にはいろいろな色の肌、髪の子がいて車椅子の子もいます。イギリス発のPeppa pigでも車椅子のお友達が登場するので、イギリスは多様性についての教育をとても大切にしているなぁと感じます。

Published Books – Molly Potter

 

海外モンテッソーリ幼稚園でも感情を大事にする

日本では藤井聡太棋士が受けていたことで一気に注目されるようになったモンテッソーリ教育。日本ではまだまだ少ないですが、ここ南アフリカには多数存在します。

 

5歳と3歳の息子たちも2年ほどモンテッソーリ幼稚園に通っています。

 

教室の入口には「Today's feeling」のボードがあります。子どもたちは教室に入る前に、自分の名前が書かれたマグネットをとり、「Happy,Excited,Bored,Angry,Grumpy,Sad」などの感情を表した少年少女の絵の枠内に貼り、今日の自分の気分を示します。

 

授業参観に行ったとき、みんな少しだけ立ち止まってから(ちゃんと今どんな気持ちかな?と考えてる)貼るのが印象的でした。

 

その後深く内容を聞かれることないので、子どもたちは素直に自分の感情と向き合い、示すことができる仕組みです。なんて素敵な!!!

 

「頭の良い子」「東大に入る子」を目指す教育本が日本は多いですが、子どもが幸せに生きていくにはこんな風に感情について教える教育も大事ではないかなと、絵本をきっかけに思いました。

 

おしまいに

穏やかに幸せに生きるには、感情のコントロールが不可欠です。怒りに支配される、寂しさや嫉妬にまみれていると他人や自分を傷つけてしまうからです。感情をコントロールするには、まずは自分の感情に気づかないといけませんね。

 

「いま悲しい気持ち」に気づくことができ「悲しいときは、こんなことをしてみよう」というヒントを知っている子は、精神がとても安定しそうですね。幼少期はもちろん、思春期にも役立つマインドだと思います。

 

こういった話は親が言うと鬱陶しいと思うので、分かりやすい言葉やイラストで伝えられる絵本の存在はありがたいなと思います。

 

ヨガでもポーズを通して「心と身体を観察する」ことをおすすめしています。それは、自分自身のコントロールに繋がるから。ぜひヨガをするときは、自分の心と身体に目を向けてみてくださいね。

 

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子どもの癇癪。砂糖を摂りすぎてない?【血糖値の話】

南アフリカで5歳3歳の男の子を育てている、ヨガ講師のゆかりーです。

 

ヨガの最終的な目的は「心をコントロールすること」ですが、ヨガのメソッドを通じてもコントロール不可能なことがあります。それが、「血糖値」です。

 

砂糖を摂りすぎて血糖値が急上昇、急降下すると精神的に不安定になることが分かっています。無気力になる、イライラする、怒りやすくなるなどです。オトナも子どもも同じことが起こります。

 

なので、子どもの感情を穏やかに保ってあげるには、子どもの血糖値管理も大事にしたいなというお話です。

砂糖が子どものイライラ、ブチ切れ、無気力を作る理由

子どもは甘いものが大好きですよね。嬉しそうに食べているのを見ると、ついついお菓子を与えたくなってしまいます。

 

しかし、砂糖のたっぷり入ったお菓子やジュースは、血糖値のジェットコースター化に繋がり、子どもの感情にも悪影響を及ぼします。

 

①血糖値が上がる

甘いものを食べると低血糖状態を脱し、血糖値が上がります。脳の中では、セロトニンドーパミンという“幸せな気持ちにしてくれる”脳内神経伝達物質が分泌されるので、一時的に満たされた気持ちになれます。

 

セロトニンドーパミンオキシトシン(抗ストレス作用)は、幸せホルモン3種なんと呼ばれています!

 

②血糖値が急降下してだるくなる

甘いもので満たされた気持ちはそう長く続きません・・・。急に上がった血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが過剰分泌されます。

 

そうして血糖値が急に下がると、低血糖(血液中のブドウ糖が不足した状態)になります。つまり、脳が栄養としているブドウ糖がなくなってしまう状態!

 

そのため低血糖になると

・眠くなる

・ボーッとする

・集中力、思考力の低下

・身体がだるくなる

・不安感が増す

・イライラする

・頭痛がする

といった状態に。

 

子どもの未発達な脳への影響は計り知れません。甘いもの、炭水化物など血糖値を急上昇させるものを食べた後、1〜4時間頃、身体の中ではこんなことが起こっています。

 

③さらに甘いものが欲しくなる/アドレナリン分泌

低血糖によりイライラが増大すると、それを解消しようとさらに甘いものが欲しくなります。砂糖=幸せな気持ちになれるという仕組みを脳が覚えてしまっているのも原因です。極端な話、ドラッグのようなものですね。

 

身体の中では、低血糖状態を脱するためにアドレナリンという興奮したときにも出てくるホルモンが分泌されます。アドレナリンにより、「怒る」「叫ぶ」「攻撃的になる」などのことが起こり得ます。

 

まだ幼い子どもの場合は、「欲望」を叶えてもらえないと「怒り」に直結しますね。そのときに自分でもコントロールできないほどの感情が湧いてきてしまうのは、アドレナリンによるものです。

 

④血糖値がジェットコースターが頻発する

そこで甘いものを食べると、再び気持ちが落ち着くので、甘いものへの執着はさらに強くなっていきます。

 

甘いものに執着してしまうと、公園に行ったのに「お菓子!お菓子!」と遊びよりも砂糖を求めるようになります。

 

執着があると感情が乱れ、本当に注ぐべきところに良いエネルギーを注ぐことができません。

 

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血糖値の安定した人=心の安定した人

低血糖により「イライラする」「眠くてやる気がでない」状態は、「落ち着いてよ!」「がんばれ!」と言われても、子ども自身コントロールすることができません。

 

なんだか知らないけれど、血糖値やらホルモンのせいで不安定な状態になっているのですから。

 

これはオトナも同じ。育児や仕事、家事で疲れている中、血糖値がジェットコースター状態になっていたら、感情が振り切ってしまい「いい加減にしてよ!」と大声で激怒ということになります・・・。理想を言えば、避けたい自体ですよね。

 

血糖値の安定は、心の安定に繋がります。これは、都市伝説ではなく、病院などでも言われている話です。例えば、うつ病患者さんは心の安定のために砂糖の量を厳しく制限されています。

 

子どものお友達に、とっても穏やかで優しい兄弟がいます。もちろん元々持っている性質、環境や教えによって作られた性格もありますが、食事もすごく整っていたので「あ〜なるほどね!」と思わず納得してしまいました。彼らのおやつは、お母さんの作った具入りのおにぎりでした。砂糖依存もしていないので、とても満足していました。

 

子どもの血糖値を安定させる食事法

子どもが穏やかでいられるようにするには、砂糖を摂らせない、お菓子を与えない、あげるなら手作りおやつが良いですね。(ニコッ)

 

と、言われても、我が家の場合はほぼ不可能です!!!

 

なので、お菓子は与えるけれど血糖値のジェットコースター化をおさえていくアイデアをご紹介します。

 

GI値の低いおやつにする

GI値とは簡単に言うと、血糖の上がり具合が分かる数字です。

 

GI値、つまり血糖値が上がりやすいおやつは以下の通りです。

・キャンディ

・チョコレート

・クッキー

・キャラメル

・スナック菓子

・せんべい

・ジュース

など

 

反対にGI値が低いおやつはこれ!

・果物全般

・プレーンヨーグルト

・チーズ/クリームチーズ

・海苔(息子たちは味のりが好きすぎる)

・枝豆

干しいも

・ナッツ類

 

アガベシロップやはちみつを使う

精製された白砂糖は、血糖値を急激にあげてしまう代表的な存在。低GIの甘味料の代表は、アガベシロップです。黒糖のようなクセもなく、料理にもお菓子作りにも便利。

 

・グラニュー糖 110

・白砂糖 109

三温糖 108

・黒糖 99

・はちみつ 85

・てんさい糖 65

アガベシロップ 28

 

プレーンヨーグルト+果物+アガベシロップは、我が家の定番(朝食やおやつ)です。

 

※黒糖、はちみつはボツリヌス食中毒の危険があるため、1歳以下は絶対NG

 

③先におかずを食べる

炭水化物を食べるときには、タンパク質・脂質・食物繊維を含むおかずを最初もしくは一緒に食べることで、急激な血糖値上昇を防ぐことができます。

 

我が家では、子どものご飯は少しあとに出しています。最初に野菜とタンパク質のおかず、味噌汁を並べておき、しばらくしたらご飯を出します。夫にもこの方式です。

 

④食パンを控える

食パンのGI値は95、白米のGI値は88、玄米のGI値は55です。食パンは、急激に血糖値を上げてしまうので、主食はご飯がおすすめ。パンの種類によっては砂糖が多く使われ、さらに高いGI値です。菓子パンはすごい値です。

 

どうしてもパンが好き!な場合は、ライ麦パンや全粒粉パンがおすすめ。GI値50です。

 

我が家は基本ご飯ですが、週末土日のランチは思いっきり小麦粉!パンやピザ、ハンバーガーです!「毎日絶対」じゃなくても、気をつけることで身体への負担は減らせると思います。

yuukariii.hatenablog.jp

⑤食事を抜かない(空腹時間を長く作らない)

空腹時間が長すぎると、低血糖状態から急に血糖値が上がってしまいます。そのため、子どもの朝食を抜くのは絶対にNG。午前中を低血糖状態で過ごすのは、フラフラしてしまうし、心が安定せず、あらゆる面で危険です。

 

小学生までは朝食と昼食の間に、補食を食べて1日5食にするのが理想だそう。小学生になってからも3時のおやつは血糖値の安定のために必要とされています。

 

「砂糖絶対ダメ」思考は危険

小さな子どもが、夕飯をあまり食べずに寝たことで「低血糖症」に陥るケースがあります。

 

・朝起きたら意識が朦朧としていた

・朝震えていた

・起きてこない

といった異変を感じたら、すぐに対処しましょう。

 

このときには、砂糖ががっつり入ったジュースや飴を摂取させなくてはいけません。数々の病院のHPでもコーラ、飴、チョコなどが推奨されています。

低血糖症|品川区、目黒区|むさしこやま駅前内科・糖尿病クリニック

 

親はこういう例外にも知識をもって対処しないといけないので、「砂糖絶対ダメ」という思考の偏りは危険です。

 

市販のお菓子は毒!友達みんな食べていても絶対ダメ!すべて砂糖不使用の手作りおやつ!というのは、素晴らしいことですが、これはこれでヨガ哲学の「執着しない」に反する気がしていて、実践しようとは思いません。

 

最近では、「オルトレキシア」という名がつき、摂食障害の一つとして扱われ始めています。健康と信じたものしか食べられなくなる、精神的な縛りです。

健康な食事しか食べられない人たち~オルトレキシア|日比谷 有楽町の心療内科 精神科 パークサイド日比谷クリニック

 

極端な選択は、いつか子どもが逆方向に暴走する可能性もあると思います。何事もゼロか100かではなく、バランスが大切ですね。その話はまたいつか。

 

 

 

子どもの癇癪、無気力、集中力の低下、イライラなどは、血糖値がジェットコースター状態になっていることが原因かもしれません。

 

子どもの心の不安定さが気になったら、お菓子を完璧に排除するのは難しいですが、砂糖の摂取量に気をつけたり、血糖値が安定するよう食生活を少し変えてみると良いかもしれません。

 

 

yuukariii.hatenablog.jp

 

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子どもの人生を豊かにする「アパリグラハ(執着しない)」【ヨガ哲学】

南アフリカでヨガ講師をしている、ゆかりーです。

 

今回は、子育てが楽になる、子どもが将来生きやすくなるヒントとして、ヨガ哲学の「アパリグラハ(不貪)」を紹介します。

ヨガ哲学のアパリグラハとは

ヨガ八支則で最初に説かれている「ヤマ/やるべきでないこと」の一つに、アパリグラハがあります。日本語では、「不貪(ふとん)」と訳されます。

 

ヨガ八支則すべてはこちら↓(私の寄稿記事です)

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アパリグラハは

・執着しないこと

・必要以上に欲しがらない

・必要以上に抱え込まない

ことを意味します。

 

モノを欲しがらない、抱えこまないという点では、「断捨離」「ミニマリスト」が近い意味合いや目的を持つと思います。

 

モノが多すぎると・・・

・管理に無駄なエネルギーを使ってしまう

・選択するときにも無駄なエネルギーを使う

・逆にストレスになる

・本当に大切なもの、欲しい物がわからなくなる

ということが起こりますね。

 

必要のないものを手放し(断舎離して)、必要なものだけで暮らす(ミニマリストになる)と、気持ちも思考もシンプルになります。モノを持ちすぎることで、執着が増えていくとも考えられています。

 

執着する、執着しないとは?

個人的には、アパリグラハの「執着しない」という教えにビビっときていて、とても大切にしています。

 

わたしたちは日常的に「執着」をしていて、それはときに自分の心を苦しめる原因になっているからです。

 

執着とは、「なにかに心をとらわれて、そこから離れられない」という状態です。

 

①お金への執着

例えば、お金に執着するとこんな思考に陥ります。

・お金がないと幸せになれない

・お金があると偉い、かっこいい(年収や職種で人間を判断する)

・高額バックや車が自分の価値のように感じる

・お金を失うことが何よりも怖い

・お金第一で、大事なことを放置(家族、人生そのものなど)

・お金を使われたら許せない(家族やパートナーであっても)

・人に与えたくない(寄付したくない、プレゼント、差し入れもお金の無駄)

 

お金は大事にしつつも、執着しないことが豊かな人生のためにいかに大切かが分かりますね。

 

過去にお金で辛い経験をすると、逆にお金に執着が生まれたりします。また、人生が会社と家の往復だけで世界が狭くなってしまうと、このような思考に陥りがちです。

 

②若さや美貌、見た目への執着

女性は、顔の作りや体重に執着することもあるでしょう。

 

若さや美貌、見た目に執着すると・・・

・年をとるのが怖い

・年を重ねたときに自分が嫌いになる、価値を感じなくなる

・美しさで人を判断する(マウンティングする)

・内面を磨く努力をしなくなる

・体重が増えたり、ニキビができたりするたびに感情が荒れる

・純粋に食事を楽しめなくなる

 

お金に執着した人と似た結果になりますね。偏った基準で人を判断するようになり、失うことを恐れ、失ったときには自分の価値が無くなる気がしてしまうわけです。

 

今はSNSで細くて(細すぎる)整った顔立ちの子を見かける影響から、若い女の子が「これが正解」と思い込んでしまうのが心配です。小学生や中学生の整形、それを応援してしまう親の動画などを見てしまうと、心底もやもやしてしまいます。

 

強すぎる美容への執着は、整形依存や拒食症へと発展します。若いが正義じゃない、見た目がすべてではない女性ほど、年齢と共に魅力が増していくなぁと感じます。

 

③人間関係への執着

家族やパートナー、恋人、友達に対して、過度に干渉をする、勝手な期待をする、独占しようとする、操作しようとするのも執着です。依存にも似ていますね。

 

人間関係も執着しすぎると、上手くいきません。

 

相手に煙たがられたり、嫌われたり、ギクシャクしたり、自分の心を病んでしまったりする原因に。悪い相手から離れるべきなのに、執着のせいで離れられないという状況も生み出してしまいます。

 

ちなみに執着が異常にエスカレートするとストーカーになります。ネットで全く自分と関係のない芸能人を叩くような人も、その芸能人に執着しているから。強すぎる執着は、相手を傷つける可能性もあります。

 

④古いルール、マニュアル、正解への執着

初めての子育ては、みなさんこの執着に苦しめられると思います。

 

例えばこんなこと

・母乳じゃないといけない

・3時間おきにミルクをあげないといけない

・○ヶ月で3語話せなければいけない

・◯歳でオムツを外さないといけない

・しっかりしないといけない

・お母さんは夜遊びしてはいけない

 

月齢や年齢による成長の平均値に執着すると、子育ては辛く大変です。

 

「子どもを最優先しなくてはいけない」「母らしくいなければならない」という思い込みに縛られるのも、ある種の執着です。

 

ルール通りにしなければという執着を捨ててしまうと、子育てはぐっと楽になります。

 

子育てにはアパリグラハが大事

「人間関係に執着しないで」というと、「子どもに執着するのは当たり前じゃない!?」という声が聞こえてきそうですが、執着と愛着は違います。

 

愛着も「心がひかれ、離れがたく思うこと」ですが、そこには相手を思いやる気持ちがあります。

 

執着は、自分勝手なものです。子どもの人生を自分の人生の一部かのようにすべての行動を知ろうとしたり、操作しようとしたり、勝手に一喜一憂したりするのは執着ではないかと思います。

 

「ママはあなたのためにこんなに頑張った」「あなたのためにこれを犠牲にした」などと押し付けるのも執着。子どもに重いプレッシャーとしてのしかかり、自由な思考や選択を奪ってしまいます。

 

さまざまな子育て本に「子どもを信じて、放っておくことの重要性」が説かれていますが、これもアパリグラハ=執着しないに通じるところがあるなぁと感じます。愛情はたっぷり与えるけれど、信じて過度な干渉や口出しはしないことが大事だそうです。

 

とはいえ、気をつけないと、どうしても親は子どもに執着してしまいがち。(私は過干渉してしまう、、、)

 

なので私も、ちょくちょくヨガ哲学について見たり書いたり伝えたりして、心に留めておくようにしています。

パリグラハを知ることで子どもは生きやすくなる

アパリグラハの「執着しない」という考えは、子どもにもぜひ知っておいて欲しい考えです。執着は感情のジェットコースターに繋がり、反対に執着しないことで、周りも自分も幸せになるからです。

 

私もついたくさんのコトやモノに執着してしまいますが、以前よりはぐっと減りました。それは、「執着しない方が生きるのが楽だな〜」と感じているからです。ヨガで「今ここ」に集中することが増えたからかもしれません。

 

「どっちでもいい(どっちでもOK)」「そういうこともあるよね」「いろんな人がいるよね、それもいいよね」と思うと心がフラットになります。子どもにもよくこの言葉を伝えています。

 

反対の表現は「これじゃなきゃだめ」「失敗はだめ」「こういう人は変、おかしい、許されない」です。

 

ヨガ哲学というと重く感じますが、心地よく生きるヒントになると嬉しいです。

 

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子どもに増加中!スマホ首(ストレートネック)予防・解消法

南アフリカでヨガ講師をしているゆかりーです。

 

子どもが全然集中しない、すぐ「疲れた」と言う、なんてことはありません?親としては「やる気出してよ〜!」と喝を入れたくなりますが、集中力の低下や慢性疲労は、スマホ首(ストレートネック)が原因かもしれません。

 

スマホ首(ストレートネック)は、スマホやゲーム、パソコンを使う子どもにも広がっている現代病です。放置しておくと、さまざまな不調に繋がりますよ。今回は、子どものスマホ首の原因と予防・改善方法をご紹介します。

スマホ首(ストレートネック)とは

現代人の2人に1人が陥っているというスマホ首(ストレートネック)。主な原因は、悪い姿勢でスマホやゲームを長時間利用していることです。

 

スマホを覗き込むような姿勢のせいで、顔の位置が前にでて、首の骨がまっすぐに近づいている状態になります。

 

本来、頚椎(首の骨)は緩やかに曲がるアーチ構造になっていて、多い頭を支えています。頭は体重の8〜10%の重さなので、オトナで4キロ〜6キロ、30キロくらいの小学生で3キロほどあります。結構重いですよね。

 

3キロの頭でも、たった15度うつむくだけで10キロの負担になります。首が前に60度傾くと、なんと20〜25キロの負荷がかかります。

 

そんな重しを首の後ろに乗せて生活をしていたら、不調が出てくるのは容易に想像ができますね。

 

子どものスマホ首(ストレートネック)の症状

子どもがスマホ首(ストレートネック)になると、オトナと同じような症状がでます。ただ、不調について自覚が難しい年頃の場合は、メンタル面への悪影響も大きいと思います。

 

①倦怠感、首こり、肩こり

本来の頭の重さ以上の負荷が、ずしっと首や肩にのしかかります。筋肉がこわばり、全身の倦怠感、首こり、肩こりに繋がります。

 

子どもの場合は、このような不調を上手く処理できません。「肩こりだ」と判断ができず、「なんとなく不快感」という状態が続き、情緒不安定というかたちになって表に出てくることもあります。

 

②頭痛

スマホ首(ストレートネック)によって首や肩の筋肉が硬くなると、血管が圧迫されます。すると、脳に送られる血液量が減少し、「緊張型頭痛」の原因になります。

 

緊張型頭痛は、首、肩、背中にかけての筋肉が緊張するために起こる頭痛です。頭が締め付けられているような痛みや、頭に大きな重しを置いたようなだるさが出てきます。

 

スマホ首(ストレートネック)を放っておくと、子どものうちから頭痛が持病になる可能性もあります。

 

③自律神経系の症状

スマホ首(ストレートネック)は、自律神経系の不調にも繋がります。

 

自立神経は、交感神経(興奮・闘争)と副交感神経(リラックス)のバランスが保たれているのが理想的。

 

ですが、痛みやコリを感じ続けると、「セロトニン」(幸せホルモンとも呼ばれています)が十分に分泌されず、交感神経ばかりが優位になり、自立神経が乱れてしまいます。すると、集中できない、イライラしやすい、感情の浮き沈みが激しいといった状態に。

 

子どもは「やる気はあるのに、なんだか100%の力が出せないなぁ」という状態になってしまう可能性もありますね。

 

自律神経は、循環、呼吸、体温調節、消化、分泌、排泄など、基本的な生命活動を維持する機能を担っているため、腹痛、便秘、不眠、情緒不安定、食欲不振、慢性疲労などの不調にも繋がります。

 

子どものスマホ首(ストレートネック)予防・解消方法

スマホ首(ストレートネック)になるとデメリットだらけなので、なんとか予防・解消したいですね。

 

ゲームをやらないことが一番!なのですが、今の子どもたちには全く現実的ではないので、他の方法をご紹介します。

 

<これを避けよう!>

スマホは避ける。タブレット端末を立てて置く(手で持たない)

→目線や距離を調整しやすくなります

・柔らかいソファの上はNG

→骨盤が寝てしまい、猫背、巻き方、スマホ首を誘発

 

<これをしよう!>

・+ストレッチ(ヨガポーズ)をルールにする

ゲームやスマホを操作させるなら、「ストレッチや体操も一緒にすること」というルールを作ってしまいましょう。まだ幼い年頃なら、ゲームを渡す前に、「はい、じゃぁまず延びて〜、上向いて〜」と腕を持って伸ばして上げるのも◎

 

簡単ストレッチ①

①両手を頭上で合わせる。肘は伸ばして、耳の真横につける。

②首を持ち上げ、目線を上へ

10秒ほどキープ!

 

ゲームやスマホの操作中は、首が前にぐっと倒れてしまうので、その前や後には首を後ろに倒す動作を取りいれましょう。

 

簡単ストレッチ②

①両手の平を合わせ、人差し指を顎の下にぐさっと入れる

②首を後方に倒す

10秒ほどキープ!

 

顔のむくみ解消(=小顔効果)、二重顎予防にもなります。

 

簡単ヨガポーズ(木のポーズ)

①両足を揃えて立つ

②右足の膝を曲げ、膝を外側に向ける。右足の裏を左足の内太ももにつける。

③両手を耳の横まで挙げる

④まっすぐ前を見る

左右各10秒ほどキープ!

 

遠くを見てもらうことで、目の疲れの回復にも役立ちます。首もフラットな状態に。体幹も鍛えられるので、続けることで猫背解消にも役立ちます。

 

 

 

スマホ首は「百害あって一利なし」なので、子どもたちにも予防をしっかりしていきたいですね。

 

ちなみに5歳1ヶ月の息子はまだスマホや手持ちのゲーム未経験。(テレビ画面で大人数でやるwiiマリオパーティ)は経験あり!)今後やるようになると思うので、どこまでストレッチを義務付けられるか・・・今からイメトレしています。