子どもに伝えたいヨガとヨガ哲学

南アフリカで3歳・5歳の男の子を育てているヨガ講師ママです。子どもに伝えたい、子育てに役立つヨガのメソッドや哲学を発信しています。

子どもの幸福度を上げるヨガ哲学「プラフマチャリア(禁欲)」「サントーシャ(足るを知る)」

南アフリカで3歳5歳の男の子を育てているヨガ講師、ゆかりーです。

 

子どもに伝えたいと思うヨガ哲学に「プラフマチャリア(禁欲)」と「サントーシャ(足るを知る)」があります。簡単に言えば、「欲を持ちすぎず、今あるものに感謝しようね」というもの。私自身、日常のさまざまな場面で己に言い聞かせております。子育てをする上でも役立っています。

ヨガのポーズよりも大事なこと

実はヨガのポーズって、呼吸をコントロールしたり、瞑想を深めたりする準備段階のメソッドなんです。決して、ポーズをかっこよくできるとか、間違えないとか、痩せるとかが目的ではありません。誤解されがちですが。

 

だから、ヨガはポーズにはこだわりすぎなくて大丈夫。ヨガをし終わったあと、呼吸が深まったり、瞑想しやすくなったり、すっきりしたり、自分に向き合えた感じがしたら100点満点です。

 

ヨガ哲学では、ヨガのポーズの前の段階で日常生活でやるべき行動規範が示されています。ヤマ(やるべきでないこと5つ)とニヤマ(やるべきこと5つ)です。

 

そのヤマの中にあるのが「プラフマチャリア(禁欲)」で、ニヤマの中にあるのが「サントーシャ(足るを知る)」です。

「プラフマチャリア(禁欲)」とは

もともとはインドで修行する男性向けに「女遊びばかりしてないで、修練に励みなさい」という内容だったそう。時代と共に解釈は変わり、今は「欲望に振り回されて、エネルギーを無駄遣いしないように」といった意味合いがあります。

 

人間の3大欲求である食欲・睡眠欲・性欲に、過剰に時間やエネルギーを費やさないこと。それから、物欲に支配されないようにしようという教えです。

 

ヨガ哲学では「人間の欲望は際限がないから、コントロールしないといけない」と説かれています。私もこの教えを知るまでは、欲しい欲しい人間でした。でもその先にあるのは、幸せとは限りません。

 

欲望は消えることがなく、「ブランドものが欲しい」という欲望は「自慢したい」「誰かに勝ちたい」「もっとお金が欲しい」「お金を持った人が良い」などとどんどん膨らんでいくからです。

 

子どものうちは、欲望のままに生きても良いかも知れません。でも、欲を満たすことばかりで、本来向くべきところにエネルギーが向かないのはもったいないですね。

 

子どもには

・たくさん持っている人が偉いわけではない(かっこいいわけではない)

・お金持ちが幸せになるわけではない

・欲望はキリがない

・欲望に支配されると失敗するかもよ(よくアニメでもありますね)

ということは最低限知ってほしいなと思います。

 

「サントーシャ(足るを知る)」とは

サントーシャは、今あるものの大切さに気づき、満ち足りていると感じることです。

 

「足るを知る(十分に足りていることを知ろう)」は、古代中国の思想家である老子の言葉。日本ではこちらが有名なので、よくサントーシャの説明に用いられます。

 

私はこの言葉が大好きです。計6年も海外に住んでいると、尚更その通りだと思います。海外生活は日本より不便なことも多いですが、無いものに目を向けて不満ばかり言っていても幸せになれません。あるものに目を向けて、感謝している人は、とっても素敵だなぁと思います。

 

例えば、健康な体や安全なおうち、家族、友達。世界を見れば、全然当たり前じゃありません。

 

私たちが住んでいる南アフリカは、物乞いの子どもがいて、治安も悪い。その点は、子どもたちも肌で感じているかもしれません。とはいえ、彼らが不幸なわけではありません。以前家庭教師をしてくれていた22歳の女性は「家には電気がなかったけど、家族仲良しで幸せだった。今も思い出すと最高な気持ちになる」と言っていました。信仰があるので、サントーシャのような教えがあるのかもしれません。

 

日本は便利で安全でみんな学校に行けます。でも、日本の子どもは幸福度が低いという記事を目にしたことがあります。満たされているからこそ、当たり前に感謝することって難しいですよね。

 

自分の子どもも思春期になれば、常に周囲と比べて、あれがない、これもないと悩む時期がくるでしょう。そのときまでに、この教えを少しでも理解して、「僕にはこれがある」「十分幸せだ」と自信を持って欲しいなと願います。(自分の思春期を思い出したら、それってすごく難しいことなのは分かりますが・・・)

 

子育てにおいても「サントーシャ(足るを知る)」は大事な考えです。その子が持っている身体、能力に感謝することで、親子共に幸せになります。あれができない、これができないじゃなく、「あなたはこれもできるし、こんなところも素敵ね!」と絶賛する子育てでありたいですね。

yuukariii.hatenablog.jp

 

 

今回は、子どもに伝えたいヨガ哲学を2つまとめてご紹介しました。過剰に求めない、今あるものに感謝する。これはセットで覚えておくと、子どもはもちろん、親の心の平穏や幸福度アップに繋がると思います。

 

子どもへの伝え方は、本当に難しいですよね。押し付けたら嫌がられるのは分かっています。ただ「こんな考え方もあるよ〜ん」と気軽にお話できたらいいなと思います。(ヨガの絵本とか、漫画で伝えられたらいいな)

 

あとは、自分の姿勢で見せること。自分自身がモノを持ちすぎない、今あるものに感謝をする。言葉でも「今日は晴れ!天気がいいって最高」「また旅行いけるなんて、なんて私たちは幸せものなの〜」「〇〇は健康な身体と、安全なおうちがあって、幸せだわ」と伝えていこうと思います。